有機JAS認証の山田錦米粉って、どんなもの? | ハニーマザー
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コラム

有機JAS認証の山田錦米粉って、どんなもの?

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こんにちは!ハニーマザー代表の西田智祐です。
ハニーマザーから姉妹ブランド「田田田堂」が誕生したニュース、みなさんのお耳にも届いていますでしょうか?今日はそんな「田田田堂」に、来月お目見えする新商品のこと、先取りしてお伝えします。

プレミアムな有機栽培の山田錦米粉を、ホームクッキングに!

来月登場する新商品とは、ホームクッキングに使える米粉シリーズ!
基本の「有機米粉」「パウンドケーキミックス(プレーンとカカオの2種)」、さらに、 自家製パウンドケーキに必要なパウンド型や油、豆乳まですべてセットになった「ベイクキット」がラインナップに加わります。どちらも、パートナー生産者である藤岡農場さんが、有機栽培で手塩にかけて育てた山田錦を贅沢に使用しています。

パウンドケーキミックスやキットは、2014年にプラントベース&7大アレルゲンフリーの料理教室「ハニーマザーキッチン」を立ち上げて以来、米粉を愛用してきた私たちの経験が生きた、自慢のレシピ。「これなら絶対においしくできる」と自信をもっておすすめできます。

現在、発売開始に向けてパッケージを鋭意制作中ですので、商品の姿をお見せできるようになるまで、もう少しだけお待ちくださいね。

有機JAS認証でお米を育てるって、すごい!

今日は、「有機JAS認証の山田錦米粉って、どんなもの?」というテーマでお話ししたいと思います。

先日の記事でもご紹介したとおり、有機JASとは、3年間以上農薬・化学肥料を使用しない土壌で栽培された作物に対して与えられる認証です。農薬や化学肥料を使うのをやめると収穫量が下がってしまいがちな中で、認証を獲得するまでに3年の移行期を待たねばならないということは、農家さんにとってもハードルの高いチャレンジとなります。

ましてや、ただでさえデリケートで栽培に気をつかう山田錦のこと。有機栽培に取り組んでいるのは、山田錦の生まれ故郷である多可町でも、ごく少数の農家さんだけなのです。

実際に藤岡農場さんに伺ってみて、改めて驚いたのは「ここまで徹底して農薬や化学肥料成分から隔離しなくてはならないのか!」ということでした。

苗を農協から買う農家さんも多い中で、有機生産者の方々は育苗から自前で行うのが基本です。種籾は薬剤を使う種子消毒ではなく温湯消毒をほどこし、苗を育てる培土も苗床に使うトレイも、すべて専用のものを使用。苗が育つあいだ、苗床は散布農薬の影響を受けない場所に隔離しておかなくてはなりません。

さらに、収穫の時も、慣行栽培や特別栽培(減農薬)の稲を刈ったあとのトラクターで、有機栽培米の稲刈りをするのはご法度なのだとか。コンバインに残った微量の農薬成分が稲についたり、圃場に持ち込まれたりするのを避けるため、という説明を聞いてびっくり。機械の使用前・使用後の洗浄も、とても気をつかって丁寧に行っておられると聞いて、本当に頭の下がる思いがしたものです。

作り手の思いに応えるために

ひとつ、誤解のないようお伝えしておきたいのは、私たちは決して「有機栽培のものしか認めない、なんてつもりはこれっぽっちもない!」ということです。 実際に多可町で夏の田んぼの雑草取りに参加した時は「田んぼの除草ってこんなに大変なのか!」と心の中で叫び、「農薬を使いたくなる気持ちもわかる・・・」と痛感したものです。

ただ、田田田堂としての原点として、サスティナブルな未来のために、できることをコツコツと積み重ねていきたいという思いがあります。だからできるだけ環境にやさしい栽培方法で育った作物を選びたいと思い、ブランドサイトにはこう書き記しています。
「できるだけ環境にやさしい栽培方法で育てられた原材料を選びます。ただし、やみくもに有機JAS認証や無農薬・無化学肥料のみを良しとするのではなく、栽培する人の考えに耳を傾けた上で、私たちの価値観と照らし合わせて選択します」

そういう基本の考えがあるからこそ、あえて手間ひまかけて環境に配慮した農法に取り組んでいる生産者さんの思いは積極的に応援したい。そして、その思いに応えてきちんと対価を還元できるブランドでありたいと思っています。今後、ブランドが成長したあかつきには、有機JASのみではなく、特別栽培米(減農薬)も含めて取り扱いの幅を増やしていければと思っています。

有機JAS認証の田んぼのお米を、有機JAS認証の製粉工場へリレー

さて、話を米粉に戻します。こうやって有機の田んぼで育ったお米ですが、実は、これをただ製粉するだけでは「有機米粉」は名乗れません。製粉を行う工場の機械や工程も、すべて有機JASの求める基準を満たしている必要があるのです。

そういうわけで、私たちは昨年から、有機専門で製粉を担ってくれるパートナーを探していました。そしてようやく一軒の工場さんと出会い、晴れて「有機JAS認証の山田錦米粉」という商品を世に送り出せるようになったわけです。

「有機の山田錦米粉」は、こうして思いをもった人の手から手へ、仕事がリレーされて生まれたもの。みなさまにも早くご紹介したくてうずうずしています。

質感・風味ともに、米粉利用に大いなる可能性を秘めた山田錦。その兵庫県の宝を、一番こだわり抜いた作り方で米粉にした新商品。最近グルテンがちょっと気になる…という方も、おいしいもの好きな方も、ぜひ楽しみにお待ちください。

この記事で紹介されている商品

この記事を書いた人

西田智祐

西田智祐

株式会社ハニーマザー代表。東京のデザインホテルのバーで、バーテンダーとして修業後、独立を目指し神戸へ帰郷するも、創業者である母親の病をきっかけにハニーマザーに入社。その後ニュージーランドで語学・文化・蜂蜜について学ぶ。人と接することが好きで、お酒を交えての談笑は至福の時間(大人数は苦手)。休日は家族と過ごしたいが、ティーンの娘に疎まれることもしばしば。

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