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コラム

神戸店で人気「自然農法さつま芋」の生産者・堀本さんに聞く

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ハニーマザー神戸店の人気メニューのひとつに、遠赤外線でじっくり焼き上げたほくほくの焼き芋があります。材料となるさつま芋を届けてくださっているのが、堺市で「自然科学農法農園GRIMBO(グリンボー)」を営む堀本豪さん。


現在、ハニーマザー自社農園の指導もしていてくださっている堀本さんに、「自然科学農法」について熱い思いをお伺いしました。

 

 

 

電気技師だった堀本さんと「自然科学農法」の出会い

 

――堀本さんが自然科学農法を始められたいきさつについて教えてください

私は、もともと地方公務員の電気技師でした。仕事を通じて、施設の維持管理に必要な、物理的処理、化学的処理、生物的処理に関する専門知識を得たことが、この農法を理解するうえで大いに役立ちました。

長年養った知識を応用し、地球上で農耕が始まったころのような農法を実践するため、準農家資格を得て約2千㎡の耕作放棄農地を借り、2014年から慣行農法に負けない収量と品質で「安全安心+α」の野菜生産を目指して試行錯誤しながら少量多品種野菜専門農業に勤しんでいます。

 

 

当初の私は、元来技術屋なので、作業を自動化でき、服が汚れないなどスマートな農法である「養液栽培」で農業をやろうと考えたんですね。でも実験設備を製作し3年ほど実践した結果、自動設備の維持管理問題、使用済み養液や廃水の処理問題など、厄介な問題点が見えてきました。

栽培設備をスケールアップするとそれらの問題もスケールアップします。生産と廃棄物処理に消費するエネルギー量と環境負荷は、収穫野菜の量や品質に対してアンバランスではないか??さらに、100%化学肥料で育った無農薬とも言えない養液栽培野菜は、安全な食といえるのか??さまざまな疑問が湧いてきて、見た目ほどスマートな農法ではないな、と悩んだ末に、農耕創成期はどうだったかに思い至り「自然科学農法」にたどり着きました。

 

 

 

無化学肥料、無有機肥料、無農薬、無獣糞、無鳥糞、無堆肥の「自然科学農法」

 

――農耕創成期のような農法とは、具体的にどのようなものなのでしょう?

無化学肥料、無有機肥料、無農薬、無獣糞、無鳥糞、無堆肥で作物を育てるということです。
農耕創成期は、それが当たり前だったはずです。
なのになぜ野菜が育つのか。それは、植物が多種多様な土壌生物(微生物を含む)と関わることで生存しているからです。中でも、菌根菌類との共生関係はとても重要です。菌根菌類は、共生植物の根の細胞と菌糸でつながって、植物が必要としている無機栄養分素を、直接送り込んでくれているのです。

 

 

6年間の自然科学農法実践を経て「自然科学農法の畑づくりは」と聞かれたら、今は「活性土壌でキノコが生える畑にすること」と答えます。菌根菌類が育つ畑にすれば、菌根菌類が野菜を育ててくれます。あとは、土壌微生物の多様性を確保できるように、畑を維持管理してあげればいいのです。微生物は、環境さえ整えばあっという間に増えますので、1年目からそれなりの収穫が得られるのでありがたいですね。ただし周りの慣行農業の畑から化学肥料や農薬の一部が流れ込んだり、水没や微生物のえさ不足など維持管理を怠ると、たちまち死滅してしまうデリケートな面もあります。私もまだまだ試行錯誤の毎日です。

 

 

 元気に育った野菜を、子どもたちに食べてもらいたくて

 

――おかげさまで、焼き芋もおいしいと好評です。

慣行農法で昔からよく聞く話に「味に敏感な人は、野菜から化学物質の味を感じる」「えぐ味などの嫌な味を感じる」というものがあります。これは化学肥料や農薬の残留化学成分が原因だとよく言われています。また、連作障害回避や耐病性向上のため接ぎ木苗を使うと台木品種の味が混じるとの話もあります。

 

 

私は、すべて種から育てることにしています。
味の違いなのか、もっとほかに理由があるのか、「ピーマンを食べなかった子供が食べた」とか「キュウリを食べなかった子が食べるようになった」とかの連絡をもらうと「この農法でよかったんだ、間違ってなかった、やってよかった」と確信するとともに、嬉しくなりやり甲斐になっています。そしてこの農法で農業をする人が増えることを願っています。

 

土壌中の生物多様性の大切さがわかるお話、ありがとうございました!

堀本さんのお話、いかがでしたか?
ちなみに「GRIMBO(グリンボー)」という農園名の由来は、
 G:グリーン(植物)、Grow(育つ)
 R:楽園、論理的
 I:生きる、生かす、Intervention(介入)
 M:森、Mycorrhiza(菌根菌)、Microbe(微生物)
 B:微生物
 O:おいしい

 
から成り立っているんだとか。
健康な土壌で力強く育ったさつま芋のおいしさ、皆さまもぜひ神戸店で体験してみてくださいね。

 

 

堀本さんが愛情たっぷりで育ててくれた、自然栽培の焼き芋は、ハニーマザー神戸店でご購入がいただけます。

季節によっては、このお芋のペーストを、乳成分不使用の「お米のソフトクリーム」のトッピングとしても!

 

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