特別なワインから広がる、幸せの輪 | ハニーマザー
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コラム

特別なワインから広がる、幸せの輪

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新商品 ハニーショコラとロゼワインのショコラ

ほろ苦さと果実味がバランスよく溶け合ったペルー産カカオの風味を、フランス産ロゼワインが一段と深く、豊かに。ハニーマザーがずっとつくりたかった特別なチョコレートが、ついに完成しました。こちらの新作「はちみつ屋さんのハニーショコラロゼ」、どこが特別かというと、全国の自然派ワイン愛好家から確固たる信頼を誇る「マキコレワイン」とのコラボレーション作なのです。ハニーマザーの西田代表も毎晩愛飲しているという「マキコレワイン」。今回はそのコレクションに隠された物語を、主宰者である金井麻紀子さんに伺いました。

特別なワインとチョコレートのマリアージュ

「マキコレワイン」とは、金井麻紀子さんがフランスやイタリアをご自身の足で巡って、「本当においしいワイン」だけを集めたコレクション。味を追求した結果、集まったものは、どれも農薬や化学肥料を使わず誠実に土壌と向き合い続けるワイン農家のものばかりだった、というのがすごいところです。

西田代表が初めてその存在を知ったのは、かつてハニーマザーで働いていた女性が独立して開いたワイン専門店でのこと。店主の念願かなって取り扱うようになったのが「マキコレワイン」でした。やがてお店で開かれたワイン会にて金井さんと語らい、意気投合。その時のことを、金井さんはこんなふうに振り返ります。

「ハニーマザーさんのはちみつに対する思いには、私たちとも共通する部分がすごくあったので、お会いしてすぐに分かり合えた気がしたんですよね。ですからマキコレワインを使ってチョコレートをつくりたい、というご相談を受けた時も、迷わずやりたいと思いました。」

チョコレートに合わせて金井さんがセレクトしたのは通称「Rosé du Maki collé(マキコレワイン・ロゼ)」。サクランボや淡いフランボワーズ、ピンクの花々などの香りと、甘酸っぱい白桃やリュバーブのフルーティさが感じられる、爽やかなフランス産のロゼワインです。

ナチュラルワインのロゼを贅沢に18%配合

「いかにもワイン、というインパクトではなく、チョコレートの深みや香りの余韻を陰で支えるような役割をしていると思います。そこは工業製品のようなワインと違って、自然のミネラル成分やきれいな酸、そして豊かな果実味という自然派ワインの良さが反映されているんじゃないかと思いますね。」

美術留学のつもりが、気づけばいつしかワインを学ぶ道へ

「マキコレワイン」の母体は、金井さんのご実家である酒店「かない屋」。群馬で明治時代に創業して以来、約130年もの歴史をもつ老舗です。約25年前からワイン好きなお父さんが自然派ワインの直輸入を始めていましたが、意外なことに20代の金井さんは「酒屋にだけはなりたくない」と考えていたそうです。

「私は学生時代、美術の道に進みたくて、フランスの国立美術大学を目指してブルゴーニュ地方に留学していたんです。そのうち、車の免許をとって運転できるようになったら、父から“この生産者は最近造りが変わったみたいだけど、会いに行って話を聞いてきてくれないか”とかいうお使いを頼まれるようになったんですね。当時の私は、折に触れてワインの話を聞かされて育った、まさに門前の小僧。特別な勉強はしていませんでしたが、向こうでワインの話が出ても、わりとわかるな、という感覚はありました。」

こうしていろんな地方の蔵元に出かけるようになった金井さん。研究熱心なお父さんから送られてくる数々の質問を生産者にぶつけ、それをレポートにまとめてFAXで日本に送る、ということを繰り返します。

2006年 フランスのワイナリーで

「そんなことをしていると、やっぱりぶどう栽培や醸造の深いところまで知らないとダメだと思い知らされるんですよね。それで絵は老後の楽しみにとっておくことにして、フランスの農業大学(国立農業専門学校・CFPPA)でワイン醸造学を学ぼうと思い、家に相談したら”いいよ”って。父は、“あれは別に作戦ってわけじゃなかった”っていまだに言い張るんですけど(笑)、本当にたまたまそうなっちゃった、という感じですね。」

やがて世界のワイン市場で「ナチュラルワイン」や「ビオワイン」が商業的に注目されるようになり、日本でも玉石混交の様相を示すようになります。そんな中で金井さん父娘は、ワインにそこまで詳しくない消費者でも本物にアクセスしやすいように、と考えて「マキコレワイン」というレーベルをスタート。厳しいふるいにかけて残ったワインだけを扱っているから、余計な回り道をせずにおいしいワインに巡り合えます。

「その”本当においしいワイン”を見抜ける人っていうのが、日本にはほとんどいないんですよね。大抵が仲介業者さんの紹介に頼っての買い付けなので……。味で探し当てたっていうのは、全国のインポーターでもたぶんうちぐらいじゃないでしょうか。」

信じられる人がつくる、ごまかしのない本物の味を

「マキコレワイン」が現在取り扱うのは、フランスやイタリアの約50軒ほどの生産者のワイン。「健康な土壌で、良いぶどうを育てる」ことを基本に、農薬も化学肥料も使わない地道な有機栽培を行っている生産者が揃っています。

「私達が20年以上付き合っている生産者は、健康なぶどうで作ったおいしいワインを、まず誰よりも自分たちが飲みたい、そして幸せに暮らしていきたいんだっていうポリシーがはっきりしていて、そのために有機農法を選んで畑仕事をしています。本当に畑仕事が好きで、収穫量を落としてでもいいぶどうを育てたいっていう生産者ばかりが集まったのがマキコレワインなんです。でもそんなふうに自分の身入りを削ってまでいいワインを作ろうとする生産者なんて、本当にいない。千人にひとりとか万人にひとりとかの世界です。」

ワイン一本一本に思いがあると語る金井麻紀子氏

多くの生産者が「仕事を効率化して楽をしたい」と考えるのとは真逆を行くように、汗水垂らして働くのを厭わず、手抜きやごまかしもしない誠実な人々。「ワインには人が出る」という金井さんの持論は、そういった人々の手から生まれるワインを味わい続けた経験に根ざしています。

「たとえば彼らは、ほとんどの生産者がやっているような補糖(醸造の過程で人工的に糖分を加えること)をしません。それは、ぶどうが畑で蓄えた糖分だけを使ってワイン造りをしたいからです。物理的には、私たちが見ていないところで何かを加えることだって可能なはずなんですけど、それを絶対しないってのが彼らの人間性ですよね。彼らが補糖をするときには、なぜそれをする必要があり、その結果どうだったか、というのを包み隠さず話してくれます。そういう造りの相談も深いところまで話してくれる姿勢には、本当に頭が下がりますね。」

単なる「生産者とインポーター」という関係を超えた絆が、そこにあるのを感じます。

信じられる人がつくる、信じられるもの。そんなものに囲まれた暮らしが送れるなら、それは何よりすこやかで幸せなこと。生産者への信頼やリスペクトを熱を込めて語る金井さんのお話を伺っていると、改めてそう感じます。大地から授かった希少な雫を贅沢に使用したこのチョコレート、ワイン好きな方にも、これまでとは少し違う感動を味わっていただけるはずです。

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この記事を書いた人

松本 幸

松本 幸

ハニーマザーのコミュニケーションディレクターを務めるフリーランスのコピーライター。神戸育ち大阪在住。著書に、2002-2006年のパリ在住経験から企画編集執筆した「パリ発キッチン物語おしゃべりな台所」がある。江戸落語と文楽が好き。週末菜園チャレンジ中。

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